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SDGs実践
株式会社イデア

アイデアを形に~イメージ図からスタートして量産化まで、イノベーターを支援する試作専門メーカー~

2021.02.17
アイデアを形に~イメージ図からスタートして量産化まで、イノベーターを支援する試作専門メーカー~

概要

実施の背景

社会に役立つ新技術・新商品のアイデアを持ちながら設計する技術や、量産化に必要な加工技術のノウハウがない方がいます。そうした理由から立ち止まっているイノベーターの相談に乗り、社会に役立つ新技術、新商品の誕生にお役に立ちたいと考えました。

取り組み

弊社の主な仕事は、大手メーカーの試作品製作です。大手メーカーから提供される設計図や3Dデータを基に試作品を製作します。しかし、設計図がない段階でイノベーターのアイデアを試作品にするためには、設備や人材育成など、弊社の試作レベルをアップする必要がありました。

今後の展望

SDGsの社内浸透を進め、試作品の製作プロセスで発生する塗料や人工木材などの廃棄物の削減・利活用によって環境に配慮した試作品製作を促進します。

実施の背景

設計や量産のノウハウがないイノベーターからの相談

▲職人の手加工のみで完成させた靴の試作モデル

弊社は1955年に白石木型製作所を創業し、それ以来、大手メーカーからの仕事を中心に2万点以上の試作品を製作してきました。弊社では、試作品の製作を通じて気づいた設計や加工方法の改善点を積極的にお伝えしています。その中には、通常の試作製作では見落とすかもしれない改善点が含まれていることがあります。それが出来るのは、木型製作などで技術を培った職人によって、通常の試作製作ではあまり手をかけない細部まで調整、加工にこだわり試作品の完成度を高めているからです。

こうした弊社の試作技術を頼って、個人の発明家やスタートアップ企業から相談を持ち込まれるようになりました。弊社は、とにかく一度相談してみようと思われる企業を目指していることから、こうした相談は大変うれしいことです。しかし、その中には、イメージ図しか書いてないとか、生産するための加工方法のアイデアがないなど、設計図にもとづく試作品を主に手がけてきた弊社にとって戸惑う相談もありました。しかし、そのような相談の中に、あきらめるのは惜しい社会に役立つアイデアもありました。

創業の木型製作所では、一から木型を製作し木型を組合わせて製品を作っていました。そのことを思い浮かべながら、長年の取引で得た量産ノウハウも活かし、設計や量産のノウハウがなくて立ち止まっている個人の発明家やスタートアップ企業のイノベーターを支援し、量産化までこぎつける支援をしたいと考えました。

取り組み

自社の技術、設備をさらにレベルアップ

▲次世代コンセプト建機

弊社は、2015年に経営革新計画を作成、中期目標を定めました。そして、社会に役立つ新技術・新商品をアイデア段階から試作し、量産化につなぐため、計画的に設備や人材のレベルアップをはかっています。具体的には、光造形装置(3Dプリンター)やカラーマッチングナビなどの設備を導入。さらに、3DCAD設計者の育成、試作技術のレベルアップなどによって2018年には「神戸発・優れた技術」「成長期待企業」に認定されました。

結束バンドの量産化を実現したい個人発明家を行政から紹介されました。イメージ図しかなかったので何度も打ち合わせを行い、量産可能なデザインや設計を考案、3Dデータを作成し試作品を製作しました。更に取引のある量産企業も紹介しました。
この個人の取り組みが、メディア(新聞とラジオ)に取り上げられました。

また、最先端の技術を形にするワクワクする仕事もあります。ある大手メーカーから遠隔で操作できる未来の建設機械のコンセプトモデルの製作を受注しました。試作専門メーカーとしてこうした最先端の技術を形にできることは非常に光栄なことです。受注をいただくことができた背景には、外部からのハッキングやスパムメール対策としてセキュリティソフトを導入するなど徹底した情報管理を行っていること、そして、弊社の試作技術への信頼がありました。コンセプトモデルは、異なる材質、サイズ、形状の複数の部品を組み上げて完成させます。しかし、データ通りに加工しても組み上げる際に、はめ合いが上手くいかないことが多いのです。その調整には、職人が1/100ミリの精度で仕上げる技術が必要になります。弊社では、そうした試作品の完成度を高めるための試作技術を日々、研鑽しています。

今後の展望

資源の有効利用を高める試作製作

▲塗装サンプル、カラーマッチングナビ

試作モデルに塗装する色の調色は、数種類の塗料を混ぜ合わせて行います。しかし全く同じ色を二度と作成できないため、3日間は、調色の段階から必要量の3倍ほど多めに色を作成し、当社で保管しています。しかし、使用する必要がなければ全て廃棄することになります。その塗料の無駄を排除するために、カラーマッチングナビを導入し職人の調色技術を数値化し、塗料の無駄排除に取り組んでいます。また、人工木材の切削加工で発生する端材を貼り合せて再利用する活動も行っています。

これまでこうした活動を必ずしもSDGsと結び付けて考えてはいませんでした。しかし、これからはSDGsの社内勉強を進め、SDGsに関連する様々な提案が社内から出るような会社にしたいと考えています。そして、「困難な試作にも対応できる技術力のある試作専門メーカー」という評価に加えて、「SDGsに熱心に取組み、資源の有効利用率が高い試作を行う試作専門メーカー」と評価されるよう、日々研鑽を重ねてまいる決意です。

企業基本情報

住所 651-2128
兵庫県神戸市西区玉津町今津608番地
創業 1955年08月01日
設立 1990年05月08日
売上 非公開
資本金 13,000,000円
従業員数 5-25名(2020年10月20日現在)
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